プーさん

私が2歳の頃、我が家に犬がやってきました。 その犬の名前は、プーさん。 東京に住むいとこ家族が、海外に引っ越すということで、 そこで飼われていたプーさんを、うちで飼うことになったのです。 当時私たちの住まいは広島。 父が東京まで車で行き、プーさんを連れて帰ってきました。 プーさんは、日本犬の雑種でした。 2歳の私と背丈が同じくらい。 犬なんてほとんど見たことがなかったので、 とても怖かったのを覚えています。 と、いうか怖かった思い出しかありません・・・。 一戸建ての庭につないで、プーさんとの生活が始まりました。 しかし、とにかく怖くてほとんど近づけず。 母も、犬を飼った経験がなかったため どうしたらいいのかわからず、困ったそうです。 それから、ほどなくして、私たちは引っ越すことになりました。 次は、マンション。 もちろん犬を飼うことはできません。 どうしようか悩んだ結果、 父の働く会社の敷地内で、飼うことになりました。 会社に連れて行き、社屋のそばに、つないでおきました。 会社では、父をはじめ、 他の社員さんもかわいがってくれて みんなで世話をしてくれていたそうです。 しかし、ある日、プーさんはいなくなりました。 今でも不思議なのですが・・・ しっかり首輪とつないでいたし、 それが外れていました。 周辺を探しましたが、どこにも見つからず。 会社の目の前は、交通量の多い国道でした。 それを越えると、線路があります。 車や電車にはねられたのかとも思いましたが、 そのような痕跡もありませんでした。 プーさんは、まるで神隠しにでも遭ったかのように こつ然と姿を消してしまったのです。 その後、プーさんは見つかることなく、 30年近く過ぎ、今に至ります。 現在我が家では、犬を飼っています。 当時、犬の世話がうまくできなかった母は、 プーさんには本当に可哀想なことをしてしまった、と言っています。 東京から広島へと家族を渡り歩き、 最後はひとりぼっちで会社につながれ・・・ 人間のわがままでプーさんの生活を何度も変えてしまいました。 きっとさみしかったのでしょう。 家に帰りたくて、ひもを外して会社の敷地を出たのかもしれません。 ごめんねプーさん。 その時のことを思いながら、 今飼っている犬には、愛情をたっぷり注いで行きたいと思います。

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